不倫の慰謝料を減らす交渉術とは？減額請求は提出証拠の弱点をつけ！

「不倫」が発覚した場合、不倫相手の配偶者（妻や夫のことをいいます）や、自分の配偶者から、慰謝料を請求されるケースは珍しくありません。

中でも「不倫」がきっかけとなって、不倫相手の夫婦仲が悪くなり、別居や離婚をするに至った場合、請求される慰謝料としては高額なものが予想されるでしょう。

それでは、高額な慰謝料請求をされた場合に、慰謝料を減らすために実践したい交渉術とはどんなものでしょうか？

以下では、「不倫」の慰謝料を減らすための交渉術に焦点を絞って解説していきます。

「不倫」の慰謝料は話し合いで解決するケースが多い？

意外に思われる方も多いかもしれませんが、「不倫」の慰謝料が裁判や調停で争われた場合、「和解」による解決をみるケースは少なくありません。

「和解」とは、一般的にいうところの「示談」のようなものであり、双方納得の上で、話し合いによって争いを解決することをいいます。日本の裁判の案件は、全体のおよそ７割が、この「和解」によって解決されているといわれており、紛争解決の手段として一般的なものです。

自身にとって有利な「和解」に漕ぎつけることができるかは、どれだけ説得的な交渉をできるかにかかってきます。そこで、次節以降は、交渉をする際に着目しておきたいポイントごとに解説を加えていきます。

慰謝料の相場を抑える！

慰謝料を減らすための交渉をする場合、慰謝料のおおよその相場を把握しておくことは不可欠です。

特に、「不倫」による慰謝料請求の場合、相場を大きく上回る金額を要求されるケースが非常に多い一方で、請求された側も「不倫」がバレた動揺などで、要求されるがまま支払ってしまうことが少なくないので、相場を把握することこそが、有利な交渉に向けての出発点となるでしょう。

それでは、慰謝料の相場はおおよそいくらくらいになるでしょうか。

この点、多くのケースでは、慰謝料額が100万円から300万円の間になることが多いとされています。意外に思われるかもしれませんが、慰謝料の相場はそこまで高額ではないのです。

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慰謝料の本質を見極める。慰謝料って、そもそも何のこと？

相手の請求する慰謝料が、おおよそ相場の範囲に収まっている場合、そこからが交渉の腕の見せ所となります。すでに述べたとおり、慰謝料相場には金額の幅がありますから、できる限り金額を下げていくことが交渉の目標となるわけです。

では、慰謝料を減らすための交渉材料には一体どんなものがあるでしょうか。自分にとって有利な交渉材料を考える上では、「慰謝料」というのが、そもそも何であるかを見極めることが重要になってきます。

ここで、「慰謝料」とは、精神的に苦痛を受けたという精神損害を填補するために支払われる金銭のことをいいます。

一般的に、民事訴訟における損害賠償請求事件で問題になるのは、物損や財産的損失などの、物的損害です。たとえば、物が壊されたので弁償してほしいというものや、自動車事故でケガをしたので治療費を支払ってほしいという請求がこれに当たります。

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慰謝料を減らすための交渉材料は？

上記のような「慰謝料」の本質を踏まえると、「慰謝料」の金額は、相手方が受けた精神的苦痛が小さければ小さいほど、低額になるということが分かっていただけるでしょう。

そこで、交渉の上で重要なのは、「相手方の受けた精神的苦痛が弱かったのではないか」といえるだけの事情を、思いつく限りの数だけ、挙げていくことになります。

たとえば、「不倫」が原因で離婚をしたケースに比べると、離婚には至らず、別居にとどまっているケース、或いは同居のままであるケースの方が、精神的苦痛の程度は小さいでしょう。

「不倫」が発覚する以前から、夫婦仲が険悪になっていた場合、「不倫」によって生じる精神的苦痛は限定的なものといえるでしょうし、たとえ「不倫」の発覚を契機として離婚に至ったとしても、すべての責任を「不倫」に結び付けるのは公平とはいえないでしょう。

この他にも、「不倫」の内容が１度の肉体関係に過ぎないのか、数年にわたる関係に及ぶのかでは、相手の受けるショックの度合いも異なることが容易に想定できますし、不倫相手の夫婦生活の期間の長さも、精神的苦痛を推し量る際の考慮事由となり得るでしょう。

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証拠を意識した交渉が肝となる？

仮に、上記交渉材料に乏しい場合であっても、慰謝料の減額交渉をあきらめなければならないわけではありません。この場合、相手の交渉材料の弱点を見抜くこと、すなわち証拠の吟味が有効なケースが少なくないのです。

「不倫」の慰謝料請求がされる場合、不貞行為（すなわち、肉体関係にあること）の証拠が裁判所に提出されることとなりますが、証拠の重みは、それがいかなる証拠かによって大きく異なってきます。

たとえば、仲睦まじくラブホテルに入っていく様子が撮影された、写真やビデオ映像などは、「不倫」を決定づける証拠であり、相手側にとって極めて有利な証拠となります。

これに対して、食事の約束に関する携帯メールのやり取りや（必ずしも、肉体関係に繋がらず、証拠として強いとはいえません）、ラブホテルや避妊具など肉体関係に繋がるものの領収書（肉体関係には繋がりますが、肉体関係の相手が誰であるか、必ずしも明らかではない）などは、証拠として決定的なものとはいえません。

また、写真やビデオ映像であっても、映像が不鮮明であることや、偽造の可能性を指摘することができれば、交渉の余地が出てきます。

具体的な交渉内容は、「その証拠が裁判で提出されたとしても、必ずしも肉体関係に繋がらない」であるとか、「不倫相手が私であることまでは証明されないはずである」などと述べると共に、裁判所が判決をすることになれば、慰謝料請求が認められない可能性が高いことを指摘すべきでしょう。

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不倫の慰謝料の減額交渉は提出証拠の弱点が鍵

以上のとおり、慰謝料の減額交渉をする際は、慰謝料相場を的確に把握したうえで、交渉材料を探すとともに、相手側の提出証拠の弱点を見つけて追及していくことが重要となります。

追及を厳しくし過ぎると、相手側の感情を損ねるために注意が必要ですが、自分にとって有利な和解を勝ち取るには、できる限り毅然とした態度で、主張すべきことを主張するのが良いでしょう。

また「証拠不十分が鍵！不倫がバレても裁判で勝てるケースとは？」や「不倫の慰謝料額を下げる方法と慰謝料を払わなくても良くする方法」の記事も是非参考にしてみてください。

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