証拠不十分が鍵！不倫がバレても裁判で勝てるケースとは？

2023/04/01

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不倫をしていることがバレてしまった場合、不倫相手の配偶者から（妻と夫のことをいいます）慰謝料を請求される可能性は、非常に高い傾向にあります。とりわけ、不倫発覚後に離婚することとなったケースでは、請求される慰謝料も高額なものとなるので、「裁判」において争われることも少なくないでしょう。

ところで、不倫がバレて裁判になった場合、「裁判で負けてしまうだろう」と諦めている方は多いのではないでしょうか。

裁判手続きに詳しくない場合、そう思ってしまうのも無理なからぬことです。

しかしながら、不倫がバレて「裁判」になった場合に、不倫をした側が必ずしも負けるわけではないのです。

そこで、今回の記事では、不倫がバレても裁判で勝てるケースがあることを説明します。

1 一般的な「裁判で勝つ」ための条件とは？
- 1.1 法律的に整理された事実の主張
- 1.2 証拠による事実の証明
2 不倫の慰謝料請求と裁判での主張立証
3 不倫がバレても「裁判で勝てる」ケースとは？
4 不倫がバレても裁判で勝つことはできます！
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一般的な「裁判で勝つ」ための条件とは？

よく誤解されている方がいますが、裁判所というのは公正中立な司法機関であるに過ぎず、紛争当事者のいずれの味方でもありません。

したがって、「裁判で勝つ」ために必要なことは、裁判所を「説得」することに尽きることになります。

裁判所を「説得」するためには、以下の２つのことが不可欠です。

法律的に整理された事実の主張

１つ目は、「法律的に整理された事実の主張」を行うことです。

どんなに自分の主張が正しいと信じていたとしても、それが法律的に成り立たないのであれば、裁判所から相手にされません。

裁判所というのは、あくまで法律問題を解決する場ですから、義理人情であるとか、感情論だけを投げかけてみても、「説得」することなど到底できないのです。

証拠による事実の証明

２つ目は、「証拠による事実の証明」を行うことです。

裁判所にとって「証拠」は絶対的なものです。仮に、裁判で主張された事実が「真実」であったとしても、証拠による証明がなければ、裁判所にとってその事実は存在しないも同然です。

裁判所を「説得」するためには、証拠による裏付けが必要不可欠となるのです。

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不倫の慰謝料請求と裁判での主張立証

上記では、「裁判で勝つ」ための条件に関する一般論について述べましたが、「不倫の慰謝料請求」の裁判では、具体的に、誰がどんなことを主張立証しなくてはならないのでしょうか。

結論からいうと、不倫の慰謝料請求に関する裁判においては、当該請求を行う原告側（たとえば、不倫相手の配偶者）において、「不貞行為の存在」を証拠によって証明しなくてはならないとされています。

「不貞行為」とは、主として肉体関係にあったことを意味する法律用語でありますが、原告は、証拠によってこれを証明できなければ、慰謝料請求を認められないということになります。

ここで注意すべきなのは、仮に「不貞行為の存在」を証明する証拠がない場合であっても、裁判上の「自白」が認められるケースにおいては、裁判所が、「不貞行為の存在」を認定して良いことになっているという点です。

ポイント

つまり、訴えられた被告側が、裁判において「確かに肉体関係をもった」「セックスをした」などと、「不貞行為」の事実を認めてしまった場合には、原告側に証拠がなくても、裁判所はこの事実を認定することができるのです。

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不倫がバレても「裁判で勝てる」ケースとは？

不倫がバレてしまい裁判で勝てるか不安な女性

上記の内容を踏まえると、たとえ不倫がバレてしまった場合でも、相手方が「不貞行為の存在」を証明するための証拠をもっていないときは、自白をしない限り、「裁判で勝てる」可能性が出てくるということになります。

以下では、「裁判例で勝てる」ケースの例を見ていきます。

≪ケース①≫
Aさんは、職場の上司Bと不倫をし、肉体関係もある。ある日、BがAと街中で腕を組んで歩いていたことを聞かされた妻Cは、Bの不倫を疑い、Aに対して慰謝料を請求することを考えている。

≪ケース②≫
Aさんは、職場の同期Bと不倫をし、肉体関係もある。ある日、Bの様子に不信感を抱いていた妻Cが、Bを尾行してみたところ、AとBはラブホテル街で有名な駅で待ち合わせをし、そのまま夜の街に消えていった。Cは、駅前で合流しているAとBの写真を撮影した。

≪ケース③≫
Aさんは、幼馴染のBと不倫をし、肉体関係もある。ある日、Bの不倫を疑っていた妻Cが、Bを尾行してみたところ、ドライブの末にペンションに宿泊したことが分かった。Cは、ペンションに入っていく２人の写真を撮影したが、遠くから撮影したので、Aの表情がよく分からなくなっている。

ケース①では、AとBが腕を組んで歩いている姿の目撃情報があり、２人が親密な仲であることまでは分かります。

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しかしながら、腕を組んで歩いていたからといって、必ずしも肉体関係にあるとは限らないので、この証拠だけでは、「不貞行為の存在」を証明するのは困難であるということがいえるでしょう。

そもそも、見間違いや人違いの可能性もある以上、目撃者の証言だけでは証拠として不十分である場合も多く、ケース①の場合には、たとえ慰謝料を請求されたとしても、「裁判で勝てる」可能性は高いといえそうです。

ケース②では、ケース①と異なり、証拠が写真として残っています。写真は機械的に撮影されたものなので、見間違いの可能性は低く、信用性の高い証拠といえるでしょう。

しかしながら、写真に写っているのは、あくまでラブホテル街で有名な駅で待ち合わせているというものに過ぎず、必ずしも肉体関係に繋がりません。単に食事をしに行っただけであるとか、何事もなく帰宅した可能性も捨てきれない以上、ここでもやはり、「不貞行為の存在」の立証が十分にされているとは言えないでしょう。ケース②でも、慰謝料請求が認められることは困難といえそうです。

最後に、ケース③では、ペンションに入っていく２人の様子が写真によって撮影されています。男女２人きりでペンションに宿泊する合理的な理由は見出しがたく、肉体関係の存在を推認させますので、不倫の慰謝料請求の裁判においては、極めて重要な証拠といえます。

しかしながら、遠くから撮影したため、Aの表情がよく分からないものとなっており、Bとペンションに宿泊したのが、Aと同一人物なのかが分からないという状況になっています。

ポイント

裁判で証明が求められる「不貞行為の存在」とは、その前提として、不貞行為の相手が被告であることが要求されますから、不倫相手がAであるかどうか分からない写真では、やはり証拠として不十分であるということになるでしょう。