不倫がバレて離婚…親権を失いたくない！子供の親権はどうなる？

妻の不倫が発覚してしまった場合、その後の離婚に至るケースは６割とも７割とも言われています。

女性が不倫に至る背景には、多くの場合には、夫への不満や、愛情の薄れが影響しているからでしょうか、非常に高い離婚率となっているようです。

こうした場合、離婚の慰謝料で揉めることが多いですが、そのほかに意外と問題になるのが、子どもの親権を夫婦のどちらが取得するのかという点です。

実際、不倫をされた夫の側が、「不倫をするような妻に親権を譲りたくない」などと主張するケースは非常に多く見られます。

しかし、そもそも不倫をしたからといって、子どもの親権に影響は出るのでしょうか。

以下では、不倫と親権の関係について、詳しく解説をします。

「親権」とはそもそもどんなものか？

妻による不倫が行われた場合、それが「不貞行為」（主として肉体関係にあることをいいます）であれば、法律上の離婚原因となりますので、夫は離婚を要求することができます。

そして、未成年の子のいる夫婦が離婚をする場合、夫婦のどちらか一方を、親権を行使する親権者と定めなくてはならないとされています（民法８１９条１項及び２項）。

ここで「親権」とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務のことをいいます。

具体的な内容としては、

①子どもが身分法上の行為を行う際の同意及び代理権（民法７３７条、７７５条、７８７条、８０４条）

②子どもの居所を指定することができる権利（同８２１条）

③子どもに対する「しつけ」をする権利（同８２２条）

④子どもが職業を営むことを許可する権利（同８２３条）、及び⑤財産の包括的管理権などが存在します。

いずれも親の権利としての側面が強いものの、子どもが心身ともに健全に成長していくこと、判断能力に乏しい子どもの権利利益を守るためには、親権者による監護が不可欠といえるので、「親権」の意義は、子どもの権利擁護にあるといって差支えはありません。

日本の法律が、離婚の際に必ず親権者を定めなくてはならないとしているのも、離婚によって子どもの権利利益がないがしろにされないようにするためです。

以上の法制度の趣旨からすると、親権者として誰がふさわしいかは、誰が親権を行使すると、子どもの成長、権利利益の保護にとって最適かという観点から決されるということになります。

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不倫と親権の関係、両者は別問題？

以上の考え方からすれば、「不倫」をしたことが「親権」の決定に与える影響は小さいということが分かっていただけるでしょう。

「不倫」といえば、確かにモラルに反しているイメージを与えがちですが、「不倫」をしたからといって、子育てが下手であるとか、子育てにふさわしくない人物であるとは、直ちに言えないからです。

「不倫」が原因となって離婚に至った場合でも、子どもが乳幼児であり、母親との交流がその成長にとって不可欠であることや、妻が子育ての中心を担っており、夫は子育てに協力的でなかったこと、妻の家族の経済的援助や、養育費の支払いが期待できることなどが考慮された結果として、妻を親権者としたケースは多く散見されます。

したがって、「不倫」をしてしまったからといって、子どもの「親権」を失うという結論には必ずしも至らないことになります。両者は別個の法律問題なのです。

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思わぬ落とし穴！「不倫」が不利な事情となる場合

もっとも、ケースによっては、「不倫」が不利に働く場合もあり得ます。

たとえば、妻が不倫相手との遊興に没頭し、子育てを放棄していたようなケースや、子どもに回すべきお金を使い込んでいたといった事例が代表的です。

このようなケースの場合、「不倫」にうつつを抜かして子の養育をしない妻に対して親権を認めることは、子の成長にとって望ましくないという配慮が働くので、親権が認められないこととなります。

このほかにも、親権を争っている場合に、「不倫」の事実が不利になることを恐れて、自分は「不倫」をしていないなどと強固に主張しているケースが挙げられます。

夫が親権を争う場合、妻が親権者としてふさわしくないことを示すため、妻にとって不利な事情を大げさに主張することは珍しくありません。たとえば、調停や裁判の場では、日々の子どものお弁当作りについて、冷凍食品を使っていることすら、子育てに手を抜いていることを示す事情として主張されることがあるのです。

こうした大げさな主張が直ちに考慮されることはありませんが、妻が「不倫」をしていないと主張していたのに、その後、「不倫」の決定的証拠が提出され、嘘をついていたことが発覚した場合には、調停委員や裁判官の心証を幾分か悪くする可能性があります。

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不倫がバレても必ずしも親権を失うわけではありません！

以上で見た通り、「不倫」をしたからといって、必ずしも親権を取得できないわけではありません。基本的には、「不倫」をするしないにかかわらず、子どもの養育を今までどれ程してきたのか、今後はどれ程期待できるのかという点が重要な考慮要素となってきます。

親権を失うのではないかと不安に感じている方は、これまで通りに、子どものために養育を怠らないよう努めることが肝要といえるでしょう。

また「証拠不十分が鍵！不倫がバレても裁判で勝てるケースとは？」や「不倫バレの証拠となるものとは？証拠を残さない為に避けるべき行為」の記事も是非参考にしてください。

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